Roの話題だけにしぼらねば更新のネタはそこらじゅうに転がってるわけで…。
そういうわけで今回は新カテゴリ、漫画談義、略して漫談。
そして今日のネタは、Gチャでも一度ネタにしましたが、これ、舞姫(テレプシコーラ)です(以下舞姫とだけ)。
ちなみに、題名で検索かけると、最新刊のネタばれであふれています--;
『最新刊はショッキングである』ことは話のきっかけとして不可避ですが、本記事はそれ以外のことは極力ネタばれにならないように心がけたつもりです。
それでも勘のいい人は、わかってしまう?かな?
冒頭数巻の部分は若干バレがありますが…ご容赦ください。
作者山岸涼子のバレエ漫画です。山岸涼子は、もっぱら少女漫画の作者ですが、舞姫はダヴィンチという雑誌に連載されて(現在1部完で連載休止し、短期集中連載でヴィリというバレエ漫画を連載中)いるのですが、この雑誌の詳細はよくわからんです。漫画雑誌ではないんですが、なんだろう?情報誌?ちょっとなんていったらいいかわかりません。私が語彙に貧困なだけですが。細い繊細な線画を基調とした絵で、過去の代表作とはだいぶ違った感じです。少女漫画的な細い絵ではありますが、一般的な少女漫画的な絵とはまた違った感じ。(過去の代表作はまさしく少女漫画といった感じの絵です。)
で、Gチャで何をネタにしたかというと…。
ちょっと前に最新刊(10巻)がでたのですが、本屋で見つけてつい我慢できずにその場で立ち読みしたら…。
不覚にも立ち読みで泣いてしまいました。
恥ずかしいのでその日は買わずに逃げ帰ってしまいました。(涙目で『ごれぐだざい!』って言われても店員さんもびっくりです。)
立ち読みで面白さのあまりつい笑ってしまったり顔がにやけたりとかは比較的良くやるんですが、泣いたのはさすがに初めてでしたね。
まずはじめに非常に悲しい出来事(あまりにも理不尽でショッキング)でガツンと来て、そしてそれを乗り越えていく主人公に涙してしまいました。
少し内容について触れると、前述のとおり、バレエ漫画です。作者の山岸涼子は過去にもバレエ漫画(題名アラベスク等)を書いているのですが、それはバレエをネタにしたスポ根系で、バレエのセンスに恵まれた主人公(本人は自覚していない)が立ちはだかる壁(強力なライバル)に立ち向かって、それを乗り越え、徐々にステップアップしていく話です。
まず今作では、主人公六花(ゆき。開始当初小学5年生)はバレエをするのに不向きな体であることが序盤で明かされます。精神面でも非常に脆い所が描写され(切羽詰ると逆に度胸を見せることもありますが基本的に弱い)、"欲"のなさが向上心にマイナスの影響を与えている事も作中で指導者らに指摘されています。そのため、当初は母親(バレエ教室を開いている)の期待はもっぱら姉の千花に向かっています。六花自身も姉を非常に尊敬し母親の期待があまり自分に向いていないことを受け入れています。
六花にとってたちはだかる壁としては強力なライバルよりも、人以外の現実的な障害のほうが目に付きます。序盤須藤空美とい転校生が登場しますが、早々に物語から退場(失踪?夜逃げ?)します。姉が一番のライバルといえなくもないですが、ともに切磋琢磨する仲間でありライバルとしては描かれていません。そのほかのバレエの優秀な踊り手たちももっぱら千花のライバルとしての印象が強いです。
私はこの漫画を読んでいてある絵画が思い浮かびました。
華やかに人工光に照らされる踊り子と、舞台の袖からそれを見つめるパトロンの男と控えの踊り子が描かれた絵画です。作者と題名はわからずともぱっと思い浮かぶ人も多いでしょう。私もそうでした。調べてみたところ、作者はエドガー・ドガで、題名は
『踊りの花形(エトワールまたは舞台の踊り子)』でした。
華やかな表舞台と厳しい世界である舞台裏が描かれた作品、だそうです。
舞姫(テレプシコーラ)は、そんな作品です。